【映画】マイ・インターン

ミラノに向かうJALの機内で見た「マイ・インターン」は、僕の周囲では結構評判がよかったのですが、率直に言ってリアリティに欠けていた印象です。ロバート・デ・ニーロのシニアインターンはありそうですが、アン・ハサウェイのCEOは正直あり得ません。まるで、日本のテレビドラマが失敗する王道パターンのように思えました。僕のお気に入りで何度も繰り返し見ている「ワーキング・ガール」のような爽快さがないのが、非常に残念です。

デ・ニーロ演じるベンの描き方が、あまりにも聖人的であることにも違和感があります。ネットをまったく知らないアナログ世代という設定でありながら、リベラルでダイバーシティに溢れるキャラクターには非現実なものしか感じられないのです。こんな形で「社会の優しさ」を押し売るのは、若い世代にはちょっとミスリーディングでしょう。

ただ、シニア世代のクオリティ・オブ・ライフに視点を置いて考えるならば、ベンの生き方は理想的です。定年を過ぎても、こんな形で次の世代に引き渡すものがある生き方。この映画から厳しくも優しいエールを受け取ったシニアが数多くいるとしたら、この映画には素晴らしい価値があるはずです。