【大分―熊本】自信喪失の現実

リーグ戦中断前には死んでいた大分のサイドからの攻撃は、右も左も活性化していた。あとはゴール前で決めるだけだったが、信頼できるFWが三平1枚では厳しい。伊佐は天皇杯でゴールを決めたとはいえ、今節も効果的な動きはできていなかった。それなのに、高松の投入は76分。あまりにも遅すぎる。

85分が経過しても、柳田はまだ2枚目のカードを切らない。勝ち点1では意味がない今の状況を考えれば、ここでカードを切るなら「バランスをあえて崩す」選択であるべきだった。結局、柳田に選択は三平からエヴァンドロ。西あたりを下げて3バックにして、三平を残した上でのエヴァンドロでなければ、押し込めないだろう。それができなかったのは、監督自身の自信喪失に違いない。

点を取られたことよりも、そこに至るまでの流れで打てる手が打てていないことが問題であり、それこそが大分トリニータが直面している状況を招いてしまった元凶なのだ。問題の先送りは、状況を悪くさせるだけ。4連敗を喫した監督も、試合で起用できない荒田しか補強できなかった西山強化部も、放置するわけにはいかない。