【国立新美術館】ルーヴル美術館展

乃木坂の国立新美術館で開催されているルーヴル美術館展は、フェルメールの「天文学者」の素晴らしさを浮き彫りにする展示でした。逆に言うと、それしか目玉になる展示がないということでもあるのですが、それをうまく逆手にとったような印象です。

キュレーションそのものは、風俗画を博物学的な視点で見せていて、僕としては好きなアプローチではありません。もっと直観で感じる美意識を楽しみたいんですよね。でも、それがかえって、計算し尽くされた構図や物語を組み込む表情の描き方がフェルメールの特長であると、再認識できました。テキスタイルの描写も、秀逸です。

目玉と呼べるのは一点だけですが、ムリーリョやコローの作品も、こうして並ぶと興味を持って鑑賞できます。ただ地味な作品が多いので、全部時間をかけてみる必要はなさそうです。絵の前には人が並んでいましたが、フェルメールも視界を遮られずに見られるくらいで、それほど混雑している感じではありません。

http://www.ntv.co.jp/louvre2015/