【映画】ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

WOWOWで放送された「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を録画して見ました。あまり予備知識を持たないで見たので、どんな展開になるのか最後までよくわからなかったというのが本音です。それでも、淡々と進む展開をじっくりと見せ、ラストまで緊張感を保っている構成力は見事です。原作というよりは、映画の作り方の勝利だと感じました。

公式サイトでもクレジットされているのはトム・ハンクスサンドラ・ブロックですが、一番魅せてくれるのは主人公の少年オスカーを演じたトーマス・ホーンでしょう。エキセントリックで繊細な天才少年の感情の起伏を、実に巧みに演じ切っていました。ただ、そうは言ってもトム・ハンクスサンドラ・ブロックも短い登場カットの間に、しっかり存在感を示しています。さらには、本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされたマックス・フォン・シドーも、失語症のためセリフのない中で見事な表情を見せてくれました。

ブランコの動きや花瓶が割れるシーンなどでスローモーションをうまく使い、無駄のない作り。わかりにくいストーリーだからこそ、映画的な技法で中弛みせずに緩急をつけることで成功したのでしょうね。日本映画のような説明臭さもなく、程よい「読後感」を残してくれる名作です。

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