【ウルトラI Love You!】サンドラ=ラジー賞

「しあわせの隠れ場所(The Blind Side)」でアカデミー主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックが、いわば「最低女優賞」であるラジー賞ことゴールデンラズベリー賞を受賞した作品がこの「All about Steve」です。邦題の「ウルトラI Love You!」は、わからないではないですが、安っぽさ全開でいかにもラジー賞に乗っかった感じの売り方ですね。

サンドラ・ブロックがエキセントリックな女性を演じ、ストーカーまがいの行為でブラッドレイ・クーパーが演じるスティーブに迫るという内容。サンドラの演技が最低だったというよりは、「あり得ないほどに嫌なタイプの女性を彼女がうまく演じた」ように見えました。赤いブーツに胸の谷間を強調したドレスでスティーブの仕事場に押し掛ける様子は、いかにも「勘違いストーカー女」なのです。クロスワードパズルの作家という設定も、いかにもアメリカっぽいですね。

終盤で子どもたちが廃坑の穴に落ちるという、まさにチリの落盤事件を思わせるようなシーンが出てきます。そんな事件をマスコミが利用するという展開は、この時期に公開したら微妙に物議を醸しそうですね。この作品のよさは、サンドラが明るくカラっと演じていること。ラジー賞の授賞式にも登場し、笑顔でトロフィーを受け取った彼女の印象そのままです。

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