【国立西洋美術館】ベルリン国立美術館展

東京・上野の国立西洋美術館で開催されている「ベルリン国立美術館展」は、ベルリンの絵画館や彫刻コレクション、素描版画館からイタリアや北方の絵画と彫刻などを展示しています。キュレーターの意図としては「美術史の概説的な展覧会」ということのようです。僕は芸術作品を学問として見るのはあまり好きではないのですが、これはこれで展覧会の意義としてはあり得ると思います。

何と言っても今回の目玉はフェルメールの「真珠の首飾りの女」。全36点しかないフェルメール作品のうち、ベルリン絵画館は「ぶどう酒のグラス」と本作の2点を所蔵しています。フェルメール作品は、アイテムを組み合わせる構図と室内に差し込む光が特徴ですが、「真珠の~」では何もない壁面が大きく描かれています。これはアムステルダムにある「牛乳を注ぐ女」と本作に際立った特徴ですが、本作ではもともとネーデルランドの地図を描いたものを塗りつぶしたそうです。どんな意図があったのか、興味深いですね。

しかし、僕にとってフェルメール以上に印象に残ったのは、レンブラント・ファン・レインの「ミネルヴァ」。ローマ神話の女神の優雅さと神々しさを。顔に当たる光の白さによって巧みに描写しています。レンブラントは、闇と光の対比によるフォーカスの当て方が見事ですね。この展覧会は9/17までで、10月から九州国立美術館に巡回します。

http://www.berlin2012.jp/tokyo/