【国立新美術館】リヒテンシュタイン展

東京・乃木坂の国立新美術館で開催されている「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」を鑑賞してきました。企画展のタイトルだけ見ても内容がイマイチ伝わってこなかったのですが、友人のレポートに興味をそそられて、出掛けてみようという気になったのです。

この展覧会の見どころのひとつに、「バロック・サロン」の再現があります。ウィーン郊外にある侯爵家の「夏の離宮」にある室内を模して絵画や彫刻、家具などが展示されています。珍しい試みとしては、天井画を美術館の展示室の天井に展示しています。恐らく、この天井画を普通に目の高さに展示しても、狙った構図にはならないのでしょう。

もうひとつの見どころは、ルーベンスのコレクション。ポスターにも使われている「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」は、ルーベンスが娘クララを描いた作品です。髪の一本一本やまぶたの細かい描写に、娘への愛を感じました。肖像画ではアメリングやレンブラントの作品も柔らかな肌の描写が素晴らしく、アイエツの「復讐の誓い」はドラマチックな瞬間を捉えた佳作です。クラナッハの「聖エウスタキウス」は、エウスタキウスが改宗したとされる狩りの場面を、巧みかつ盛りだくさんな構図で切り取っています。見て損はない展覧会ですよ!

http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/