【東京都美術館】マウリッツハイス美術館展

2年間に及ぶ長期の休館を経て改装なった上野の東京都美術館。そのリニューアルオープンを飾る展覧会が「マウリッツハイス美術館展」です。オランダのデン・ハーグにあるこの美術館は訪れ​たことがありますが、そのときはフェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」を独り占めすることができました。しかし、さすがに東京の展示では、平日でもこの作品だけは大混雑。最前列で見るには、長い行列に並び、しかも立ち止まらずに通り過ぎなければならないのです。

それよりも、同じフェルメールの「ディアナとニンフたち」の展示が素晴らしかった。似た画風のブリューゲルルーベンスの作品からの流れで、フェルメールのモチーフへの光の当て方の秀逸さが際立ちます。フェルメールの作品が展示される展覧会では定番のヤン・ステーンやデ・ホーホの作品も、レベルの高いものが中心です。

展示位置の高さや間隔も、混雑を前提に設定されていて、とても見やすかったと感じます。もともと狭い階段で導線が最悪だった東京都美術館ですが、エスカレーターの導入で流れが劇的に改善しました。最後は1階を通過して地下まで降りなければならないのですが、ロッカーや傘立てのある場所に戻さなければならないので、仕方ないのでしょう。いろいろな意味で満足度の高い展覧会でした。

http://www.asahi.com/mauritshuis2012/