【アカデミー賞】前代未聞のミス

LAのドルビーシアターで開催されたアカデミー賞授賞式は、前代未聞の幕切れとなった。作品賞のプレゼンターを務めたウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイに託された封筒は主演女優賞のものだったとの説明だったが、使い終わった封筒が再度戻されることは考えにくいので印刷時のミスだとしても、チェックが効かなかったのはいかにもお粗末だ。

大混乱となったステージ上を落ち着かせたのは、受賞スピーチまで済ませていた「ラ・ラ・ランド」のプロデューサーのフレッド・バーガー。引っ込みがつかなかっただけとも言えるが、冷静に場を仕切って「ムーンライト」と書かれた文字をカメラとノミニー席に示し、自らオスカーを引き渡したあたりはさすがのふるまいだ。

今回の授賞式は、全般的にMCの無駄なトークが多く、メリハリが効いていない印象だった。楽曲を披露したシンガーの中ではスティングだけが安定したパフォーマンスを見せたが、ジャスティン・ティンバーレイクは声量が不十分で、ジョン・レジェンドとリン・マヌエル・ミランダは音を外し気味だった。モニターとPA回りの音響に問題があったのではないだろうか。