【熊本-大分】見えてきた現実

皇甫官監督の選手起用には疑問がある。しかし、冷静な目で熊本と大分の戦力を比較してみれば、今の順位が妥当だとも思えてくる。開幕当初、キム・ボギョンの活躍で上位に出てしまったことで、サポーターはあらぬ夢を見てしまったのではないか。今年の大分は、昨年の主力がほとんど退団した別のチームなのだ。今の戦力で、しかも負傷者が続出していることを考えれば、現実的な位置にいるのではないか。

昨年までエジミウソンホベルトのところでボールをキープし、攻守の切り替えがうまく出来ていた。今年は姜成浩、宮沢、梅田というラインナップでは、ボールがまったく収まっていない。キム・ボギョンがいれば、もう一列前でキープできていたのだが、彼がいない状況で得点が取れないのはボールの収まりどころがないからだ。そして、それができる選手は、調子が上がったという前提での高松だけだろう。

<GK>下川:7(PKセーブで勝ち点死守)
<DF>松原:6(サイドでは使えそう)、刀根:6(自信持ったプレー)、菊地:5.5(やや迷いある)、小林:4(PKのファウルは問題外)
<MF>梅田:6(できることはした)、姜:5.5(専守防衛)、宮沢:5.5(前で勝負も実らず)、内田:5(受け手意識できていないパス)
<FW>チェ:5.5(前線で孤立)、住田:5.5(チームが活かせていない)
<SUB>村山:5.5(空回り)、高松:5.5(ポスト機能も本調子遠く)、前田:6(ミドルで勝負)
※清水、井上、森島は出場せず
<監督>皇甫官:5.5(固定できない起用法)

リーダーシップのあるベテランがおらず、中堅層の人材が薄いトリニータ。熊本の藤田俊哉のような選手を、安い人件費で確保することは可能ではなかったか。何もかもが菊地頼みの現状を変える必要性は高い。もちろん金はかけられないのだが。