【U23壮行試合】香川の存在感

北京オリンピックに向けたサッカーU23代表の壮行試合は、オーストラリアを迎えて神戸で行われた。前半の序盤を見る限り、日本に攻撃の形が見られず、スコアレスドローで終わるような予感が漂っていた。本田圭佑にゲームを作らせ、内田と長友の両サイドから攻めてはいたが、本田はファーポストに飛び込む形の方が活きる。香川をパスの受け手とするのならば、谷口の方がよさそうな印象だった。

しかし、香川が得点を決めて存在感を示すと、展開が変わってくる。香川を経由して緩急がつけられ、チームにリズムが生まれてきたのだ。やはり香川がパスの出し手、本田を受け手とした方がチャンスは生まれてくるだろう。守備では吉田の粗さが目についたので、この試合を臀部痛で欠場した森重の復帰が待たれるところだ。

この試合に先駆けて行われた女子の日本-オーストラリア戦は、男子と違ってオリンピックに出場しないオーストラリアが若手中心だったために、単純に比較はできない。しかしながら、前線で永里と大野が有機的に連動し、途中出場の丸山も結果を出したことえを考えると心強い。

今回の実況を担当したTBSだが、このブログでも何度も批判しているようにまったく酷い出来だった。実況の役割は、解説者のコメントを引き出して雑談を視聴者に聞かせることではなく、試合の魅力を自分の言葉でいかに伝えるかだ。女子を実況した佐藤、男子担当の土井の両アナウンサーのスキル、そして実況アナウンサーの役割に対する局としての考え方について、十分に見直していただきたい。