【コールドプレイ】新作は妙に明るく

ただでさえ売れ筋の「Coldplay」ですが、今回はアップルとのコラボCMの影響もあって注目度も高く、ニューアルバム「Viva la Vida」は全世界で1位を獲得している模様です。タイトルチューンの「Viva la Vida」はCMにも使われていますが、この曲が彼らの作品とは思えないくらい明るい曲調なので、アルバムの仕上がりも気になっていました。

インスト曲の#1「Life in Technicolor」から#2「Cemeteries in London」あたりは前作「X&Y」の色合いを深く残しており、#3「Lost!」、#4「42」までいかにもといった感じのColdplay節です。しかし、#5「Lovers in Japan/Reign of Love」からポップな印象が強まりはじめ、#6「Yes」~#7「Viva la Vida」に至っては違うバンドの音を聴いていりかのようですらあります。ただ、フレーズの終わりを伸ばしながら音を下げていく特徴は残っていますね。そして#8「Violet Hills」が、僕としては最も気に入った曲なのですが、ここで再び前作に近い雰囲気に戻ります。

全体の印象としては、やや統一感に欠ける感じを強く受けてしまい、マーケティング戦略と自分たちの音楽志向の間で揺れ動いているバンド像が垣間見える気がします。本作では、どうにかぎりぎりのところでバランスは保ってくれているので、今後彼らがどちらを向いていくのかに注目したいところです。