【J最終節】大分連勝・浦和は勝てず

やはり最終節の戦い方は、一筋縄ではいかないもののようだ。大分も、かつてはJ2から昇格する際に何年も苦しんだし、ロスタイムで昇格を逃したこともある最終節。浦和はFW陣をワシントン、田中達也、永井の3人で回してきた弊害が、最後に出てしまったとも言えるだろう。永井が右ウィングに入ってクロスを上げても、ワシントンと田中が抜けるべきスペースはなく、足元に来たボールを蹴りこむパワーもすでに失われていた。

J2でも、札幌は最後に逆転して優勝を決めたが、ヴェルディは2点差を追いつかれてのドローで優勝を逃し、京都はロスタイムに草津に追いつかれた。納得のいかないであろうシーズンを送ったチームがホームで戦った最終節であっても福岡は九州のライバル鳥栖に完敗し、甲府は東京にPKを献上して意地を見せられない。その意味でも、大分が最終節を待たずに残留を決めてくれて、本当によかったと思う。

その大分は、今季初の連勝を最後の2試合で達成した。最終節の対戦相手、新潟からレンタルで獲得して残留の原動力となった鈴木慎吾の左足から森重の先制点が演出され、そして2試合連続のFKからの直接ゴールが決まった。流れの中での得点がなかなか取れないトリニータなので、まだ残っている天皇杯で期待したい。前線で高松、山崎、梅崎の連携から何度も好機を作り出していたので、期待してもよいだろう。

これで入れ替え戦は広島と京都の対戦となったが、地力としては広島が上だろう。京都としては1stレグの西京極で先手を取ることしかないので、かつての柏を破った甲府のような躍動するサッカーを見せてほしい。