【U-22アメリカ戦】ボールが収まらない

予選を前にした壮行試合だけに、別に結果が必要なわけではない。しかし、昨年の韓国戦や中国戦から何が進歩したのかと考えると、見当たらないのだ。ひとつ下のカテゴリーから選手を加えても、日本国籍を取得した李を選出しても、ここまで形が見えなければ意味がない。戦術とパッションを兼ね備えたはずの反町監督の手腕は、どうしたのだろうか。

前半はとにかく手数をかけ過ぎていて、アメリカは時差のせいか重い動きと連携の悪さが目につくのに、決定的なシュートが少なかった。そして後半はアメリカの動きがよくなり、逆に日本はディフェンスラインからトップの平山までの距離が開き過ぎた。ディフェンスラインでボールを回しても「早く前に入れよう」という気持ちが強すぎて、ボールが落ち着かない。平山もポストとしてキープするよりは、自分で前を向いて勝負に出てしまうので、2列目のフォローが間に合わない。

梶山がもっと思い切りの良さを出し、水野を前か中央に近いところでプレーさせる時間が増えれば、もっとチャンスはあっただろう。カレンと李にもっと明確なFWとしての役割を与えるだけでも意識は違ってくると思う。反町監督が平山を軸にするというなら、それもよいだろう。しかし、どこでボールをキープして落ち着けるのかを決めておかないと、バタバタとあわただしく動き回って消耗するだけではないだろうか。開幕前で選手に無理はさせなかったのだろうが、何とも煮え切らないスコアレスドローだった。