雨で濡れたピッチとなれば、ハイボールが重要になる。そしてそれを得意とするのは、間違いなく日本ではなくスコットランドだった。試合開始早々、意外に速い展開に４バックがバタつく。しかし、ここをしのぎ切ってしまうと、今日の４バックは悪くなかった。中澤の負傷は気がかりだが、楽観してもよいのではないかと思う。
個々の選手に目を移そう。これが最終テストと言って間違いのない久保は、僕の目には明らかな不合格だった。いつもの久保らしく、守備をしていないのだ。なんとなくボールを持った相手選手に寄ってはいたが、本気で取るつもりはさらさらなく、「やってます」というアリバイ作りにしか見えない。これで決定的な仕事ができるなら別だが、あのキレでは残念ながらそれも期待できない。
玉田はブルガリア戦に続いて悪くなかったが、相変わらずスルーをしてみたりつないでみたりと、自分がエースだという気持ちがない。その点は巻の方が数段上である。
さて、ジーコである。佐藤を投入して３トップにする。それはいい。しかし、下げる選手は遠藤ではなく小笠原ではなかったか。日本テレビの実況席は「小笠原の守備での貢献」を称えていたが、その役割をやらせるなら小笠原より遠藤だ。今日の試合展開を見ても、右に左に前に後ろに顔を出してリズムを作りつつ、リスクを回避していたのは遠藤なのだ。三都主を選ぶことには同意しよう。しかし、チームプランとして小笠原が必要な選手なのかどうか、鹿島ファミリーということを抜きにして考えてもらいたい。
