UEFAチャンピオンズリーグの準々決勝2日目は、リヨンがミランとスコアレスドローで、インテルは開始早々にフォルランに先制されながら、アドリアーノとマルティンスのゴールでビジャレアルを逆転。とはいえ、ビジャレアルはホームで1-0で勝ち抜けできるので、まだまだ予断を許さない状況だ。
僕が気になったのは、インテルの2点目のシーン。右サイドのスタンコビッチからのクロスがアドリアーノを越え、ナイジェリア人のマルティンスが押し込んでゴール。マルティンスは、祝福に跳びつくブラジル人のセザルに対して露骨に嫌悪を浮かべた表情でそれを拒絶する一方、同じブラジル人のアドリアーノとは喜びを分かち合っていたのだ。レコバの負傷でマルティンスが出場してからのゲームをチェックしてみたが、マルティンスにパスが出ないということはなかった。サポートがないということは言えるかもしれないが、それだけであそこまで仲間の祝福を拒絶するものだろうか。J2降格の決まった試合で福田正博がVゴールを決め、抱きついてきた池田学を振り切る仕草よりもなお強烈な拒絶だったのだから。
セリエAでは人種差別問題がくすぶっており、メッシーナのコートジボワール人・ゾロが試合中の人種差別的なヤジによって、ボールを抱えてゲームを止め、第四審判に詰め寄るという事件もあった。このとき、ゾロをなだめたのがマルティンスとアドリアーノのふたりだった。
真相は不明だが、インテルの内部に不協和音があるのは確実だろう。そんな問題を抱えたまま、ビッグイヤーを目指すのは容易ではないはずだが・・・