【トヨタカップ】クラウチだ!

昨日のサンパウロアル・イテハドが予想以上に好ゲームだったせいか、リバプールは最初から攻撃モードだったようだ。しかし、開始3分でリーセからシセが落としてクラウチという、絵に描いたようなゴールが決まってしまうと、もう興味はリバプールの美しいパス回しになってしまう。シセは、もっとゴールを貪欲に狙うタイプという印象があったのだが、チームプレーに徹していたのはベニテス監督への忠誠心だったのかもしれない。

ジェラードのポストぎりぎりに流れ込むボレーも、クラウチがうまくDFをかわした2点目も、まさに芸術的。ジェラードを下げてもシナマポンゴル、さらにはルイスガルシアが交代出場しても、まだモリエンテスを温存できるのは贅沢の極みと言えよう。しかし、今日のゲームの最大のポイントはクラウチの1点目だった。横浜国際の観客と両チームは、ビッグイヤーの重みをあらためて思い知ったから。あの純真な「隣のお兄ちゃん」キャラのクラウチは、またファンを増やしたことだろう。

相変わらず「サッカーに興味のない視聴者にチャンネルを変えさせない工夫」の粋を出ない日テレの実況は、そろそろどうにかしてほしい。いつまでもサッカーと言えば明石家さんまでもないだろう。それから、実況するからには選手や監督の名前を正しく覚えるのは基本中の基本。イテハドの監督は「ヨルダネスク」であって、「ヨルダネス」ではない。