【EURO 2024】オランダ―フランス

ライプツィヒで行われたユーロの第2節は、序盤の展開を見てお互いに無理をしないプレーを選択しているように見えた。デシャン監督は鼻骨を骨折したエムバペを起用しなかったが、アップを始める様子もなかったので、これも無理をさせない方針の一環。フランスもオランダも初戦で勝ち点3を得ているので、グループステージ突破に向けて重要なのは「負けない」ということだったのだ。

とはいえ、見どころがなかったわけではない。フランスのビルドアップにおける動きには意図が感じられたし、それが共有できていることもよくわかった。フランスの課題は伝統的に変わらないが、相手の守備を崩した後に決められる選手が少ないこと。今回はエムバペがそれを担うはずだったが、彼がいないことでテュラムデンベレも活きなかった。

また、グリーズマンもカンテも33歳ということもあって、よいポジショニングで崩しには貢献しても、足元で細かいミスを犯して自らチャンスをつぶしてしまう場面も散見された。特にグリーズマンは、もう少しだけキレがあれば、2点は取れていただろう。交代で出てきたジルーは、さらに年長の37歳。このあたりの選手を頼らざるを得ないところにも、フランスサッカーの課題が見えてくる。

オランダには惜しいシーンがあったが、シャビ・シモンズのシュートを際に明らかなオフサイドポジションにいたダンフリーズがプレーに関与したとみなされてゴールは取り消された。関与していないことをアピールするように立っていただけだが、シャビ・シモンズのシュートがその方向に飛んだことでGKメニャンのプレーを遮っていたのは確実だ。ダンフリーズが自陣サイドに早く戻っていれば、オランダが勝ち点3を手にしていたはずなので、これはある意味痛恨のミスだろう。

フランスにとっては、ノックアウトステージに向けてエムバペの復帰を狙っていることだろう。デシャン監督にとっては、次のポーランド戦よりもその先の戦い方を見据えているはずだ。