【ワールドカップ】デンマーク―フランス

初戦でオーストラリアに勝ったフランスに対し、チュニジアスコアレスドローで終わったデンマーク。デーマークとしては、何とかここで勝ち点を積み上げておきたいところだが、エムバペがそはさせなかった。この試合で見せたエムバペの2ゴールは素晴らしいし、勝ち点3を奪うために必要だったことは間違いないのだが、僕の印象に残ったのは57分にセンターライン付近でボールを持ったエムバペがドリブルで仕掛けたシーンだった。

やや左サイド寄りから一気にゴールに迫るエムバペの前でジルーが左サイドに流れて行ったプレーは、ジルーがエムバペのプレーを邪魔していたようにも見えた。しかしジルーは、エムバペにゴール正面からのシュートコースを開けようとしていたはずで、DFを引き連れて流れることを意図していたものと思われる。結果的にエムバペが早めにシュートを打って外してしまったので功を奏すことはなかったが、自身でも点が取れるストライカーでありながら周囲の選手にチャンスを作ることも意識できるジルーらしいプレーだった。

テオ・エルナンデスやラビオも初戦から良い仕事を続けており、フランス代表は開幕前に伝えられていたような窮状にはなさそうだ。ただ、負傷者の続出で層が薄くなっていることは間違いないので、ここから試合が重なるにつれ厳しくなることは想定される。選手のパフォーマンスはもちろんだが、ディディエ・デシャンの采配にも注目だ。