【ACL決勝】アルアインー横浜

VARが存在していても「中東の笛」は成り立つ。そのことが証明されてしまったゲームだった。それはつまり、僕がJ2の審判のレベルに対して感じていることと同じであって、システムより先に人を育てなければならない。やはり、それが正しいということに他ならない。

アルアインの2点目となったPK判定も、あれだけ繰り返しオンフィールドでレビューをしながらあの判断に至るのは、何らかの先入観というか思惑があってこそだろう。ポープの退場も足が掛かったというよりバランスを崩した結果であって、あの方向に蹴ってポープをかわすしかなかった時点で、得点機会とは言い難い。最近の傾向としてはレッドカードという方向なのだろうが、それが本当に観戦を前提としたプロスポーツとしてのサッカーを有意義にしているかどうかは疑問だ。

序盤からフィジカルの強さを活かしてガンガン当たってくるアルアインに対し、気持ちで負けまいと言う思いがマリノスにはあったはず。アルアインの選手のかなりラフなプレーはほぼ見逃されているだけに、やはり主審の判断は偏っていたと見るしかないだろう。

ポープの退場により、ハリー・キューウェルは守り重視に移行せざるを得ず、交代枠も悩ましい状況に陥ってしまった。さらに畠中も負傷する中、植中をハーフタイムに下げてしまっており、10人で戦う上では圧倒的に後手に回ったことになる。宮市に期待するしかない状況だったが、いずれにしてもGK白坂とってこの舞台は厳しかった。投入後に失った3点は、すべてポープ、あるいは飯倉だったら防げたのではないかと思えるくらいの形だった。

チケットが確保できない状態でUAEまで遠征したサポーターにとっては、辛い記憶となったことだろう。その起点がPK判定だったとすれば、ウズベキスタンの審判団をアサインしたAFCに対してJFAは、結果として形だけになったとしても何らかのアクションを起こすことが必要ではないだろうか。