【アジアカップ】シリア戦で見えたもの

結果については、多分に審判に演出されてしまった感があるので触れない。この試合を通じてわかった3つのことについて記しておきたいと思う。最大の課題であり、この試合を難しくしてしまったのは、DF陣がセーフティファーストを意識できていないことだ。GK川島が退場を喫したシーンでも、その前の不用意なバックパスが呼び水になっている。一気に攻めたい気持ちはわからないでもないが、それによって招いてしまうピンチのリスクを考えなければ短期決戦は戦えない。

確かにシリアのレベルは低かったから、選手が「ケガにだけ気をつければ楽勝」くらいの印象は持っていただろう。そのせいもあってか、遠藤の球離れは早すぎた。もう少しタメを作って、はじめて彼の良さが活きるはず。そして、その遠藤保仁は自分が頭の中で描いているプレーを、体で再現できていないようだ。イージーなミスも多く、彼の出来の悪さがチームに共有できていたからこそ、PKキッカーが本田になったのではないだろうか。

もうひとつの問題は、相変わらず多い内田の安易なラフプレーだ。僕が監督だったら、一人少なくなった状況ですでにイエローをもらっている内田を下げただろう。逆に岡崎は、あの状況なら一人多いシリアにカードが出やすくPKももらいやすいことを理解した上でのプレーに見えた。1点リードの終盤にもキープせずにあっさりボールを手放してしまう内田の悪い癖は、どうにかすべきだ。