【ドラマ】セイレーンの懺悔

新木優子主演ということで第1話を見てみたものの、続きを見るモチベーションは完全に失った。ふだん地上波を見ることはほとんどなく、スカパーやWOWOW、もしくは配信での海外ドラマばかりなのだが、本作はいかにも日本のドラマという印象だ。マスコミ対警察というステレオタイプの対立に、どなり合う俳優たち。マスコミ関係者は口が悪く、警察もガラが悪い。予算不足も明らかで、ニュース番組のビジュアルやタイトル設定もひどいし、テレビ番組なんだからテレビの世界くらいもう少しリアルに作ることはできなかったのだろうかと思うような仕立てだ。

僕は以前から感じているのだが、日本の映画やドラマは低予算のビハインドを演劇空間でごまかしている。予定調和の演技、絶叫、罵倒、号泣…… 微妙な表情や台詞回しで魅せてくれる作品はほとんど見当たらない。その意味では、同じ新木が出演していた「SUITS」は米国ドラマのリメイクという事情もあり、上記の日本ドラマとは一線を画していたように思う。

番組予告を見る限りストーリーには魅力がありそうなのだが、この演出をあと3話見るのはちょっと難しい。ちなみに、新木優子の使い方は「SUITS」の前作(シーズン1)が一番よかった。序盤の抑え目な演技から、後半に華が出てくるあたりの切り替えは素晴らしかったのだ。せっかくの主演作がこれでは、いかにも残念だ。