【ワールドカップ】日本―クロアチア

前田がセットプレーから先制したものの、またしてもサイドからのクロスにヘッドを合わせられての失点。この形は弱点なだけにどうにかしたかったところではあるが、さすがにクロアチアも自分たちのストロングポイントと日本の弱点を考えた上での戦術だったのだろう。PK戦までもつれ込んだら勝てそうな気がしなかったので、その前に何とか決勝点を奪いたかったところではあった。

コスタリカ戦もそうだが、ある程度ボールが持てている状態でチャンスが作れなかったのは勝負に出る部分でのパスの精度が低かったこと。鎌田に託していたのだと思うが、本来はパスの受け手の選手。それは久保も堂安も伊東も同じなので、純粋に出し手の選手を森保監督が起用しなかったということだ。ベンチには柴崎がいた。彼がピッチに立っていれば、セットプレーでももっと相手の脅威になったはず。プレースキッカー不在では、競った展開でなかなかチャンスは生まれないだろう。

もうひとつ、押し込まれているときに、せっかく前に蹴りだしても浅野にボールが収まらなかった。この展開を想定すれば上田や町野を起用する選択肢もあったはずで、毎回「浅野、三苫」にこだわる必要はなかった。自分が決めたシステムの中で個性を発揮する選手を起用したいのだろうが、試合の展開を考えたら、そして延長戦のことを想定するなら、ワンパターンではダメだったのだと思う。十分勝てる可能性はあっただけに、PK戦まで行ってしまったこと、言い換えればPK戦に持ち込まれてしまったことが残念だ。