【アイスホッケー全日本準決勝】東北フリーブレイズ―北海道ワイルズ

アイスホッケーの試合を全国放送してくれる機会はほとんどないので、全日本選手権の準決勝を楽しみにしていた。ただ、久しぶりに見るアイスホッケーの試合はレベルが高いとは言えないもので、日本アイスホッケーの実態を痛感して寂しい気持ちにさせられてしまった。

第1試合は東北フリーブレイズと北海道ワイルズ。資金問題が表面化していたクレインズアジアリーグ脱退が発表され、ワイルズが後継チームとして推薦を受けているという状態で、彼らのモチベーションは間違いなく高いはずだ。

昨年度覇者のブレイズは、カウンターから先制を許す。ブレイズは連携が悪い上にパスレシーブが止まらない、そしてシュートを打ち損ねるというお粗末なプレーを続けているうちに、ワイルズの堅守速攻の型にハマってしまった印象だ。

2ピリに入ってもなかなか効果的なポジショニングとパスワークにならないブレイズだったが、それならとボイバンが一人で持ち込んでワイルズゴーリー脇本を翻弄するゴールを叩き込む。ただ、このプレーの流れから、恐らくは味方との接触でボイバンが負傷してしまったことは気になった。

続いて、田中遼が体で押し込んで2点差としたが、ここからワイルズの猛反撃が始まる。3ピリ6分に寺尾から青山というコンビネーションで追い上げると、そこから1分経たないうちにディフェンスの松金が持ち上がって、畑の肩口を抜くビューティフルなゴールで同点に追いついた。

ここからは一進一退となるが、ブレイズは相変わらず連携が悪く、バックドアを狙えるポジションにも選手が入れずに膠着状態を抜け出せない。3on3の延長を経て迎えたペナルティショットシュートアウトでは、ゴーリー畑がワイルズにゴールを許さず、存在感を示してブレイズを勝利に導いた。

もともとフリーブレイズを応援している身ではあるが、今日の試合を見る限り、ワイルズの方が魅力的なホッケーをしていた。かつて僕のイチオシだった河合龍一が元気なプレーを見せてくれていたこともあって、日本のアイスホッケーをこれ以上廃れさせないためにも、ワイルズの参戦を機にアジアリーグを盛り上げたい。