【大分―長崎】評価できること/できないこと

宮城の退場で数的優位の時間帯が長かったにも関わらずドローに終わったことは、大分トリニータにとっては負け以上に痛い痛恨の結果だった。とはいえ、評価できることもいくつかある。まずは、4バックを導入したこと。昨季は就任早々の時点で、計算できるせセンターバックペレイラと三竿しかいないにも関わらず4バック宣言をした下平監督を批判したが、今季はデルランと安藤を獲得して上夷も成長したので十分4バックもあり得る。前に人が避けない状況なら、2枚で最終ラインを固める戦術は有効なはずだ。そして高畑と藤本の同時起用も試して欲しい形だったし、4-4-2の変形のような今節のフォーメーションは今後に向けて必要なオプションだろう。

一方、まったく評価できないのは、以前にも指摘した終盤のパワープレーだ。安藤を前線に投入しながらロングフィードを送れないのでは、なぜ中川ではなかったのかということになる。この戦術を徹底できない監督も監督だが、ピッチ上で体現できない選手たちもひどいものだ。また、佐藤の投入がすべてを狂わせたとも言える。自分勝手なプレーでチャンスをつぶしたのは一度ではなく、結果的に茂を入れるのであれば、佐藤より中川の方を優先sうべきだったのだ。68分に佐藤を入れて75分に失点したという巡り合わせが、すべてを台無しにしてしまった。

そしてもうひとつ、変形4-4-2のサブに置くのが、なぜ伊佐なのか。先制して逃げ切るためには、終盤にファーストDF伊佐を投入するのは有効だ。しかし、点を取らなければならないときに備えて、サムエルも長沢も使えなかったということなのだろうか。今季の大分はスカウティングの失敗が多く、ゲームの中での仕切り直しもできていない。これは試合当日だけではなく、準備段階から後手を踏んでいるということに他ならない。