【ドラマ】リンカーン弁護士

原題は「The Lincoln Lawyer」なので、リンカーンという名の弁護士ではなく、車のリンカーンに乗った弁護士ということだ。主人公のミッキーは、原作小説の設定では別のドラマに登場するLAPDの刑事ボッシュと異母兄弟らしいが、本作ではその絡みは出てこない。ただ、ジャズが好きだったり、LAの街を見下ろすトパンガと思われる高台に住んでいるなど共通点も描かれている。

とにかく訴訟戦術が見事で、検察の訴状の盲点を突いてみせたり、検察側証人の供述を巧みに利用して弁護側有利に引き寄せるなど、本格的で現実的なテクニックは見応え十分だ。チームのスタッフも、元妻の恋人のバイカーを調査員にしたり、依存症の被告を弁護費用代わりにドライバーに雇ったりと、ボッシュにも通じる破天荒さがおもしろい。全10話がひとつの訴訟をベースにした構成になっており、怪しげなITベンチャー社長の弁護がどう決着するのか、それを追うだけでも一気に見たくなるくらい引き込まれてしまう。

主要なキャストは、僕にとってはあまりなじみのない役者が多かったのだが、悪徳刑事役は「シール・チーム」のクセのある上官を演じていたジェイミー・マクシェーンで、別事件の裏ボスは「グリム」や「オールライズ」に出ているレジー・リーなので、脇をベテランで固めている印象だった。シーズン2への含みを持たせる終わり方になっていたが、無事更新されているので、今後の展開にも期待したい。