【プライムデーショー】ビリー・アイリッシュ

ビリー・アイリッシュといえば、絞り出すように囁くように抑えた声で聴かせてくれるシンガーだと思っていたのだが、AmazonのPrime Day Showでの動画では歌い上げるような一面を見せてくれた。いつものように緑色の髪ではなく、どことなくぽっちゃりしたような様相のビリーは、パリをさまようような構成のドラマ仕立てのストーリーを紡いでゆく。バックにはベースとドラムス。ほかの楽器の音も聞こえはするが、そこはまあツッコまないでおこう。

華やかなパリというよりは、少しうらぶれた街並み。北駅の裏通りとかサン・トーガスタンのような感じだろうか。夜の街というには明るくてまだ早いイメージは、ビリーの持つ優等生ではないが悪ガキでもない、独特の立ち位置によく合っている。いつもより少しだけ明るい表情で明るいトーンの声に聞こえたのは、パリという街が醸し出すオーラによるものなのかもしれない。「エミリー、パリへ行く」に紛れ込んだようにも見えたが、それはあのパリもこのパリも作り物っぽく見えたからのように感じた。

今回のPrime Day Showは3部構成で、H.E.Rとキッド・カディも登場する。僕の守備範囲からはちょっと外れるので今回はビリーの回しか見ていないが、ファンにとっては貴重な映像となるはず。それぞれ30分弱の尺なので、あっという間に過ぎ去ってしまうことだろう。