【劇団四季】アナと雪の女王

四季劇場春で「アナと雪の女王」のミュージカルを観劇。序盤の子役が演じる部分は歌も楽曲も、そして共演する父親の演技もひどすぎて、どうなることかと先が思いやられる展開だったが、アナとエルサが登場してからは一気に締まった内容になった。アナ役の三平果歩のコミカルな演技やパペットを操りながらオラフを演じた大橋美絵も素晴らしかったが、やはりエルサ役の三井莉穂の「ありのままに」が一番印象に残った。

1幕のトリで歌われるこの曲は、もちろん楽曲としても盛り上がるし、三井の歌唱力も素晴らしいのだが、ビジュアルエフェクトとのマッチングが見事なのだ。ライブで観劇するからには、このような五感で体験する価値が欲しいところ。それをしっかりと満たして見れているところは、さすがに劇団四季ならではだろう。エルサがアナを凍らせてしまう場面も、照明と衣装を使った効果が絶妙で、一見の価値がある。

休憩を含めて2時間半のデュレーションは、やや長く感じる部分もあるものの、終わってみればちょうどよい。劇場の導線も巧く設計されているので、行列になったとしてもストレスをあまり感じない。トイレは僕たち男性にとっては問題ないが、女性はやはり混雑していたようだ。ただ、20分の休憩で十分対処できる程度のようで、このあたりも顧客視点に立った劇場づくりができているのだと思う。禁止事項のアナウンスが多めなのは気になったが、それをしないといろいろと問題が起きてしまうのだろうから、甘んじて受け容れよう。