【大分―C大阪】スタイルの完成

第31節という終盤にきて、今季の大分トリニータのスタイルがようやく固まったように感じた。ここまで紆余曲折があり、ボロボロの試合も少なからずあった中で、守備も攻撃も形ができて自信を持って選手たちがプレーできる状態になった。降格圏内は脱していないのだが、今の大分ならば十分に残留を果たせるのではないか。そんな気持ちにさせてもらえる試合内容だった。

1トップがボールを収めるのではなく、反転して前を向く。手数を掛けずにゴールに迫り、複数の選手がフィニッシュを狙って飛び込む。逆サイドの選手も、しっかりエリア内に詰めている。これらのプレーは基本ともいえるのだが、ここまでまったくできていなかっただけに、呉屋と増山の加入は大きな意味を持っていたのだと感じる。野村や梅崎が試合に出てこないのは残念だが、彼らがいなくてもここまでのプレーができるのであれば、それでよいのだろう。

守備も集中していた。90分の中で抜けた時間帯ができることが多く、それは高木だったり三竿だったりするのだが、今日は最後まで本当に集中していた。誰かがミスをしても、他のDFがしっかりカバーしているそのポジショニングも見事だったが、そのおかげで本職でない選手が過度に下がる場面が少なかったことも無失点で終えることができた一因だ。刀根は、やはりクロージングでの起用が最適だ。僕としてはペレイラも投入してメッセージを明確にして欲しかったが、羽田がよかっただけに変えたくなかったのだろう。少し日程が空いてしまうのはもったいないが、仙台、徳島には取りこぼさずに勝ち点を積み上げたい。