【大分―栃木】駒が足りない

今節のスタメンとサブのメンバーを見た時点で、終盤のゴールは期待できないと感じていた。控えのFWがリーグ戦での実績に乏しい宇津元と藤本では、カードもなかなか切れないし、切ったとしても期待感は高くない。それよりは呉屋の決定力と長沢の高さを引っ張りたいところだろう。そして、その予感通り、なかなか動かない試合は終盤を迎えても結局動きを見せなかった。

収穫がなかったわけではない。前半にまったく機能していなかった右サイドを修正し、伊東が受けていったん下がってきた野村に預けてサイドを突く形を作った。これは片野坂監督時代から見ても、非常にレアな修正の成功であって、このチームの大きな成長だったように思う。一方、呉屋と長沢がギャップを作れずに同じ高さで飛び込んでいたし、渡邉の役割は不明確で、パスの受け手なのか出し手なのかわかならかった。梅崎の投入でギャップが作れるようになったので、これも修正が成功したということだろう。

それでも、今日の交代カードでは決定的な仕事をするには至らなかった。エドゥアルド・ネットもサムエルも伊佐もいない。町田も井上も増山も、そして小林成豪もいない。これがコンディションの問題なのだとしたら、トレーニングとフィジカルマネジメントにも課題があるのではないだろうか。そうでないなら、次節の千葉戦に期待するしかないが、ターンオーバーを前提に最強チームを組んでいないのだとしたら、それも問題だ。75%のチームをふたつ作るくらいなら、片方は若手育成と割り切って、もう片方で確実に勝つくらいのメリハリが欲しい。要は、駒が足りないということなのだ。