【DAY ONE】オードリー・タンの対談

「テクノロジーで変化を味方につける1日」と題して日本CTO協会が主催したイベントDAY ONEを聴講しました。様々な講演や対談などがライブ配信されましたが、その中で一番の目玉は台湾のデジタル担当政務委員を務めるオードリー・タンとの対談。内容は安武弘晃がタンに英語でインタビューするような形の録画に、日本語訳のテロップをつけたものでした。

一番印象に残ったのは、タンが非常にポジティブな発想の持ち主だということ。安武が自虐的に「自分の書くコードは汚い」と言ったところ、「それは、他のエンジニアに書き直すモチベーションを与える意味があるね」とさらっと返したのだ。そして、締めの言葉でも、「自分たちが完璧な世界を作ってしまったら、次の世代にやることがなくなってしまう」というようなことを語っていた。これは、個人が全体の中の一部でしかなく、一人ですべてを担うことはできないという強烈なメッセージだった。

僕も個人的には、自分でなんでもやってしまいたくなる性分なのだが、年齢を重ねるに従って他人に委ねる場面が増えてきた。集団としての人類の歴史の中で、自分ができることは小さい。それは社会や会社組織などでも同じこと。それによって、いろいろなことを分かち合うこともできるし、そこに喜びを感じるのはデフォルトで備わっているようにも思う。また明日から、このタンのメッセージを前向きに使って仕事をしてゆこうと思った金甌日だった。