【北京オリンピック】フィギュア団体ペアフリー

男子シングルフリーで鍵山優真が晴らしい滑りを見せたことで、メダルの可能性が大きく開けていた日本チーム。アイスダンスでは6ポイントとなる公算が高い中で、三浦璃来と木原龍一がメダルを決める会心のパフォーマンスを披露した。表情は硬く、序盤はややもたついた滑り出しだったが、徐々に硬さが取れ、笑顔が広がる。これまでの大会では動きがぎこちなかったリフトも、上げ下げが非常にスムーズ。勢いをつけて男性の腕力で持ち上げるのではなく、二人のコンビネーションが発揮されたリフトだった。そして2度のスロージャンプでは、三浦が転倒しそうになりながらも膝をうまく使って何とかこらえる。これも大きかった。

演技前後には、木原が三浦をいたわるような素振りも見せていたが、お互いの信頼関係がしっかりできている印象。ペアとしては中国や米国を上回る2番目の成績で、アイスダンスと女子シングルで棄権さえしなければという条件つきではあるが、銅メダルが確定した。アイスダンスが1つでも他チームを抜ければ銀メダルも、ということろではあるが、それは欲張りすぎというものだろう。

ペアは強豪が軒並み出来が悪く、1依だったミーシナとガリアモフも終盤のリフトを下す際のミスで転倒している。中国も米国ももっと点が取れてもおかしくない実力があった。そんな状況の中で全体2位の結果を残した三浦と木原の勝負強さは、賞賛に値するだろう。ちなみに、ショートの公式練習でカナダとイタリアのペアと衝突するアクシデントがあり、イタリアのデラモニカがまったく冴えなかったが、この日のカナダは落ち着いた演技だった。