【NHK杯】ファイナルの行方は

フィギュアスケートNHK杯は、男子シングルが羽生結弦、女子シングルがコストルナヤ、ペアは隋文静/韓聡、アイスダンスはパパダキス/シゼロンが優勝した。これでグランプリファイナルの顔ぶれも出揃ったが、男子シングルは羽生とネイサン・チェンの一騎打ちであることは間違いまさそうだ。女子シングルは、ロシアのコストルナヤ、シェルバコワ、トゥルソワの3人にどこまで紀平梨花が迫れるか。今回は見送った4回転サルコーにチャレンジしなければ表彰台は難しいが、ファイナルの場でロシア勢が皆揃ってノーミスで終わるとも思えない。

テレビ朝日の放送では「ジャンプの後に着氷したかどうか」というわかりやすい観点に重きを置きすぎているが、このレベルでは着氷できて当たり前。どれだけGOEを稼げるかに、勝負の行方がかかっている。その意味では、羽生やパパダキス/シゼロンのような指先まで緊張感を持って全身全霊で演じ切るパフォーマンスに、より高い評価が与えられて欲しいと感じる。

NHK杯での一番の驚きは、ペアを組んで3ヶ月の三浦璃来/木原龍一の出来がよかったこと。木原の持ち上げるスキルに三浦の重さが合っているようで、余計な力を掛けずに自然に演技できているのが何よりだ。アイスダンス転向を発表した後に負傷で西日本選手権を欠場した高橋大輔が、どのように変貌してゆくのかと合わせて、来季への期待も広がった大会となった。