【ソチ2014】フィギュア団体の意味

オリンピックに新しく登場する種目は、どうしてもルールがわかりにくかったり、不公平感を感じたりする。モーグルが登場した頃は、今のように準々決勝~準決勝~決勝というレギュレーションではなく、2本滑って高い得点の方を採用する方式だったと記憶している。長野オリンピックで里谷が金メダルを獲れたのは、一発勝負でも勝てる方式だったからなのだ。

今回から導入されたフィギュアスケートの団体。基本的に「順位点」で争われるのだが、ショートプログラムの順位点にフリーの順位点が単純に加算される。フリーに進めるのは5チームなので、フリーでは1種目あたり最大4点しか差がつかないのだ。ペアとアイスダンスでは大きくレベルが劣る日本は、それでも得点差がつかないのは有利ではある。しかし、優位にあるシングルで1位になっても、大きく失敗したチームとは4点しか差がつかない。

フリーのペアが終了した時点でメダル圏内の米国に4点差だが、アイスダンスでは米国とは4点差がつくのは確実だから、実質的に男女シングルで4点ずつ詰めないとメダルには手が届かない。そう考えると、女子シングルのショートが3位に終わったのは非常に痛いのだ。ショートでもっと順位にこだわり、浅田にトリプルアクセルを飛ばせるべきではなかったのではないか。浅田はこの失敗で、以降のスピンやシークエンスもことごとく実力を出せずに終わった。まるでバンクーバーの浅田を見るようで、今後に不安を残す演技だった。