【天皇杯決勝】浦和―大分

もったいない形で先制されてしまったが、大分にとっては自分たちがリードして時間が進むよりは追いかける展開の方がよかったはずだった。もちろん、スコアレスで緊迫した展開を想定していたのだろうが、そうそううまくいくものでもない。ユンカー対策なのか準決勝の勢いを保ちたかったのか、片野坂監督の選択は4バックだった。0-1のまま追いかけるのは想定の範囲だったとは思うが、ギアを上げる駒だったはずの松本の使い方を大分は忘れてしまっていたようだ。小出と同じような形ではなく、もっとスペースを使わせるようにしていれば、展開は変わっていたように思う。

それにしても、ペレイラだ。準決勝では長沢をおとりにしてエンリケトレヴィザンが決めたが、今日はエンリケをおとりにしてペレイラが叩き込んだ。ここまで出場機会をあまり得られず、準決勝の負傷で万全でもない状態。それでも、終盤の大事なところで決めてくれるのだから恐れ入る。あのゴールが決まった瞬間、僕は心臓が止まるかと思うくらいに興奮した。それだけで、生観戦した価値があるというものだ。残念ながら3分後に槙野に決められてしまう。一番やられたくない相手にやられてしまったので、僕の中であれは柴戸のゴールということにしておこう。

新しい国立競技場の3層SA席だったが、とても見やすい反面、座席は狭すぎるし通路が少ないので移動も一苦労。端の席だからよかったが、そうでなかったら身動きできずにストレスがたまっていただろう。

敗れたとはいえ、試合内容は素晴らしかった。これがリーグ戦でできていればという思いもあるが、それは言っても仕方あるまい。天皇杯でつかんだ自信を来季に生かし、すぐにJ1の舞台に帰ってきてもらおう。