【映画】アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル

フィギュアスケートリレハンメル・オリンピックの代表選考を巡って起きたナンシー・ケリガン襲撃事件を、トーニャ・ハーディングの視点から描く作品。実際の証言映像や当時の演技に忠実に作られている。エンドロールでその映像が流れるので、本編と比較する楽しみが最後にやってくるのもエンターテイメントの妙味だ。

トーニャの悪女ぶりを描いてはいるものの、その根源にある幼少時からの家庭環境や、交友関係が描かれることで、トーニャ自身も被害者なのではないかという気にさせられる。短気でダメ人間の元夫、それに輪をかけてひどいその友人。そんな中での凶行だったという見せ方には納得感がある。

主演のマーゴット・ロビーは、2回転までならスタントを使わずに跳べるスケーティング技術を持っているようで、スケートの演技にも安定感があった。このあたりが、ボルグ/マッケンローの嘘臭さと大きく違うところだ。