【Amazon Prime】Andy Murray Resurfacing

テニスのアンディ・マレーのドキュメンタリーが、アマゾンプライムの限定配信にラインナップされている。2018年に関節の痛みから手術を受ける決断をし、引退を表明した後にダブルス、そしてシングルスで復活の優勝を遂げるまでが描かれている。フェデラージョコビッチのインタビューも含まれているが、内容のほとんどはアンディの映像。病床で苦しむ姿や人工股関節への置換手術の模様、ベッドで涙を流すアンディなど、人間アンディ・マレーの隠し立てのない素顔が晒されているので、テニスファンには十分に見応えがある作品だ。

同じようにコート上で感情をあらわにしても、ジョコビッチは計算づくで流れを引き寄せようという算段が見て取れるのに対し、アンディのそれは純粋な感情の吐露だ。そのあたりがアンディの弱さでもあり、魅力でもあることがよくわかる。兄でダブルスの名手でもあるジェイミー・マレーや母のジュディに加えコーチやトレーニングスタッフのアンディへの思いも伝わってくる。

こんな辛い時期を乗り越えて、フェリシアーノ・ロペスと組んだダブルスで6月のフィーバーツリー選手権を制し、さらには10月のアントワープでシングルスでもツアー優勝を果たす。アンディはもちろん、チームにとっても予想もしなかった格別の喜びだったはずだ。その軌跡を視聴者も共に振り返ることができるのは、とてもありがたいと感じる。