【Coldplay】Everyday Life

コールドプレイのアルバム「エブリデイライフ」は、彼ららしいフレーズを散りばめながらも、全体のコンセプトは異質なものが感じられ作品だ。クラシック風のストリングスで始まって、キャッチーでもメロディアスでもなく、淡々と流れる。ライブで演奏しても、それほど盛り上がらないのではないかというような曲調なのだ。

ただ、アルバムとして聴くには完成度が高いし、楽器の音の再現度は驚くほど高い。2曲目のドラムスでは、バスドラをキックペダルが叩く音の感覚が伝わってきて、まるで目の前で演奏しているかのよう。ライブ会場の音響では、ここまで繊細な音づくりは不可能だろう。その意味では、ビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」以降ライブを離れてスタジオ盤に専念したようにコールドプレイも音づくりにリソースをシフトしつつあるのかもしれない。

キャッチーでメロディアスな曲を書けなくなったとしたら残念なのだが、とりあえずはコンセプトアルバムとしてのこだわりとスタジオ盤に新たな意味づけをシフト与えたのだと理解し、次のアルバムやライブにも引き続き期待しよう。