【ストレイテナー】Future Soundtrack

5/23に発売されたストレイテナーの新譜「Future Soundtrack」の第一印象は、売れ線揃いの前作から昔のしっとりしたクールな路線に回帰したような感じがしていた。しかし、何度も聞きこむと「Cold Disc」のようなキャッチーなメロディや小気味よいリフを徐々に意識させられるようになってくる。

フェスで聴いた「The Future Is Now」は歌詞のノリが今一つで、スタジオ向きの楽曲かと思っていたのだが、スタジオ版を聴いてみるとやはりその通りなのだと感じる。マーチのようなリズムに前向きな歌詞はオーディエンスを乗せる力も持っているのだが、ギターだけで埋める和音を広げるのはホリエアツシのボーカルにはちょっと難しいようだ。スタジオ版ならば、安心してアレンジの妙に身を委ねることができる。

全体的にはテナーらしいメッセージが詰まっていながら、リリカルな世界もしっかり構築されている。そこがまさにテナーなのだ。「シーグラス」や「Day to Day」のような売れ線はないけれど、何度でも聞きたくなるような心地よさを秘めたアルバムだ。スタジオ版を聴いた後のライブも、また違う味わいがありそうで楽しみになる。