モーツァルト父子の作風

父・レオポルドと息子・ウォルフガング、ふたりのモーツァルトの作風は似ていると思う。この前観たミュージカル「モーツァルト!」の中で、レオポルドがウォルフガングに「おまえの曲は複雑すぎる。もっとわかりやすく!」と説得するシーンがあった。ウォルフガングの曲はロマン派に比べれば複雑でもなんでもなく、あれを複雑と言ってしまったらマーラーブルックナーを何と評すればよいのかわからなくなってしまう。

前にもHPで書いたことがあるが、ウォルフガングの曲は同じようなモジュールの組み合わせであると言ってもよい。だから、僕がそれを組み替えるだけで「モーツァルト交響曲第42番」らしきものが書けてしまう。それを音楽マニアに聞かせたら、きっと「なるほど」と言ってくれると思う。

さて、それでは父親レオポルドはどれほどシンプルな曲を書いているのだろうか。彼の作品で唯一有名な「おもちゃのシンフォニー」は実に単純だ。ウォルフガングにも通じるようなフレーズに、おもちゃの奏でる擬音が取り込まれたこの作品を息子にも求めたのだとしたら、そりゃウォルフガングじゃなくても嫌になるだろうな。この作品は嫌いじゃないけど、こんなのばかり延々と作り続けたら、自己嫌悪に陥りそうです・・・