【アルガルベカップ】ドイツに完敗

佐々木監督にとっては、想定内の結果だったのだろう。GKに山根を起用した時点で、育成と経験を優先させていたことがわかる。山根は187cmと日本人女性にしては驚異的な高身長だが、米国戦でも明らかなように、GKとしてはまだまだ一流ではないからだ。右サイドバックに有吉を起用した点も、近賀のバックアップを何とかしたいという思いだろう。

しかし、結果的にはどちらも成果にはつながらない。有吉はそれほど悪くなかったが、山根は最初の失点も3点目も明らかに狙われたミドルシュートだった。反応が遅く、思い切りが良くないことは、スカウティング済だった。そして左サイドバックの宇津木も寄せは早いのだが、スピードで仕掛けられるともろい。ここも恐らくは狙われていたはずだ。

前半に見られた川澄のシュートから大儀見と澤が詰めたシーンはビデオでチェックしてもノーゴールだったが、あれがゴールラインを割っていたとしても今日の展開は変わらなかっただろう。それほどまでに、戦術面では差があった。「ベストメンバーで臨む」と語り敗戦を残念がったとしても、佐々木監督にとっては失望ではなかった。ここがゴールではない。来年のカナダで、ディフェンディングチャピオンにふさわしい戦いができるかどうかなのだ。