【映画】レ・ミゼラブル

ハワイからの帰りの便では、5月から機内エンタメのラインナップに入った「レ・ミゼラブル」を見ました。この作品は、17年前にロンドンのウェストエンドでミュージカルを見て以来。感動したという声が多かったので、期待しつつも「本当かよ?」という思いもありました。もともとこの手の「正義」をメインに据えた作品には、描き方の難しさを感じていたのです。

一般的にはジャン・バルジャンに感情移入する人が多いのだと思いますが、僕には無理です。一片のパンとはいえ、そしてどんな事情があったとしても盗みは盗み。そして、脱獄までしているのですから、正義感の強い僕にとっては、とても受容できません。僕にとっては、そんなジャン・バルジャンを何とか捕らえようとするジャベールの方が、その気持ちがわかるような気がします。ジャベールが自殺してしまうことも、理解できるんですよね。

そして、この作品の一番の違和感は、子どもであるガブローシュをヒロイックに描くところ。僕は子どもを美化するのは好きではありません。また、映画版でテナルディエ夫人を演じたのが、ハリー・ポッターのベラトリクス・レストレンジ役のヘレナ・ボナム=カーター。シリウスを殺害したベラのイメージが強すぎて、テナルディエの持つちょっとした良心が嘘っぽくなってしまいました。

http://www.lesmiserables-movie.jp/