【映画】天才スピヴェット

コメディ・ドラマだと思って見始めた映画「天才スピヴェット」は、実はロードムービーだったのです。僕がこれまで見た映画の中でベストともいえる作品の「パリ、テキサス」も、同じようにロードムービー。そこまではいかないものの、この作品も僕の好みに合っていました。オチのつけ方もいかにもロードムービーなので、安心して見ていられました。

フランスとカナダの合作ということで、潤沢な予算を集めるのは難しかったと思います。それでも、「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督がうまく役者陣を使いこなしています。主演のカイル・キャトレットも微妙な表情をうまく演じ分けているのですが、何といっても母親で科学者を演じるヘレナ・ボナム・カーターの独特の演技が印象に残ります。

彼女はティム・バートンのパートナーでもありますが、「鳩の翼」や「英国王のスピーチ」でアカデミー賞にもノミネートされた実力派。ただ、僕にとってはハリーポッターシリーズのベラトリクス・レストレンジとしての印象は強く、シリウス・ブラックをベールの後方に追いやった後に、喜んで「死んだ、死んだシリウス・ブラック!」と歌っていた狂気の演技が脳内に蘇ります。