【人事の話】エントリーシート

僕の会社もいよいよ会社説明会が始まり、毎回たくさんの学生が来てくれています。説明会の最後にエントリーシート(ES)を提出してもらい、その選考結果によってウェブテストに進んでもらうという流れになっています。ESは、工夫を凝らして自己表現してくれているものも多く、いつも選考には苦労します。ただ、もったいないと思うものも結構多くあるのです。

ESの書き方にでも載っているのか、「あいうえお作文」は毎年見かけます。例えば安倍晋三さんなら「あかるく、べんきょうねっしんで、しんねんをもって~」のように、自分の名前の一文字ずつで文章化するもの。これは、何もアピールするものがありません。

そして一番残念なのは、「志望理由は言葉では書き尽くせないから面接の機会を与えて欲しい」というような記載です。正直、人事の立場から言うと、これは手抜きにしか見えないのです。ESの評価ポイントには当然「表現力」があるので、自分の思いをいかに相手に伝わるように表現しているかはしっかり見せてもらいます。ところが、その表現を放棄してしまっていては、評価の仕様がないのです。「文章で表現できないものが、話し言葉なら表現できる」という発想も、甘く見えてしまいますね。

もちろん人事も千差万別なので、すべての会社に適用できるルールなんて存在しません。「人事が語る~」という表題の記事などで、「人事」とひとくくりにされるのは、当事者からするとあまり面白いものではないのは当たり前ですよ。