【大分-栃木】完成形の予感

震災による中断を挟んだとはいえ、開幕からすでに2ヶ月が経過している。徳島戦はラストプレーでチェ・ジョンハンが同点ゴールを決め、鳥栖戦の中盤までは悪くない形ができていた。しかし、そこからの2失点。守れないというチームの問題点は、この時期になっても何の改善策も見出せていなかった。

その意味で、今日のスターティング・メンバーには田坂監督の意思が感じられたと言える。不安定さの象徴だったサイドバックを梃入れし、右に本職はストッパーの池田を起用した。正直なところ、前節61分で刀根を松原に代えた采配こそが、田坂監督にとって痛恨のミスだった。才能があっても、あれだけ簡単に抜かれてしまう選手を1点リードの終盤に投入することは、セオリーとは対極だ。だからこそ、池田の起用は「そのミスを挽回しよう」とする田坂監督の意思に見えたのだ。

そして登録上はFW2枚ながら、実質は森島をセンターにチェ・ジョンハンと前田をサイドに置いた3トップ。これによって前線の選手がサイドで起点になるので、サイドバックの上がりが抑えられる。中盤の底に守備力に不安のある土岐田と宮沢を並べたことは気になったが、ここのところ宮沢の守備力は向上しているし、土岐田のしつこいチェイシングも効果はあった。

これでやっと、大分トリニータはチームの完成形が見えてきた。調子の上がらないヴェルディをホームで叩いて、自信を高めた上でフクアリの千葉戦に臨みたいものだ。