【沈まぬ太陽】削る勇気・発掘する努力

久しぶりに見た邦画は、WOWOWで昨日放送された「沈まぬ太陽」でした。原作を読んでいないので比較はできないのですが、202分と3時間を超える長編ながらポイントを絞り切っていないために、ただダラダラとダイジェスト場面が続いているような印象を受けました。ハリーポッターシリーズも、原作を読んだ人をがっかりされない配慮で、ポイントが散漫になってしまうことがあります。プレゼン資料もそうですが、削ることによって残った部分が際立つこともあるんですよね。

キャストも豪華なのですが、それだけにどこかで見た人が次々に出てくる「学芸会仕様」になっています。水戸黄門でおなじみの石坂浩二大岡越前加藤剛が会話をしていたり、ハッピーフライトでも機長を演じていた小日向文世が機長だったり。若手を発掘して「オリジナルキャラ」として起用する努力を、日本映画界は怠っているように思います。

何よりも、この作品を映像化する上でのウリは御巣鷹山の事故のはずですが、それもまたあっさりとダイジェスト的に描かれてしまったのが残念です。これが純粋にノンフィクションならば価値も見出せますが、フィクションとしての作品であることを考えれば、もっとフォーカスを当て方に工夫が必要だと感じました。