【永青文庫】都心の静寂

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梅雨の季節ではありますが、未明の雨が上がってすっきりしたお天気となった日曜日。自転車に乗って、目白台永青文庫(えいせいぶんこ)」を目指してみました。ここは、細川家の屋敷跡を美術館として公開している施設で、都心にしては閑静な雰囲気を堪能できます。このあたりは椿山荘や日本女子大学がある文教地区。目白通りから神田川に落ち込む崖の上にある、いわゆる「山の手」のお屋敷地区なのです。

門から続く玉砂利を踏みしめて白亜の洋館を訪れると、もうそれだけで雰囲気は満点。館内も人は多くなく、美術品を愛でるというよりは「静寂」を味わいに出掛けるような利用もできるのです。仏教をテーマとした書画や彫刻なども趣味の良さを感じますが、それ以上に興味をそそられるのは細川護熙元首相の祖父で細川家第16代当主の護立の蒐集した蔵書です。

徳富蘆花の「不如帰」のハードカバー本は背表紙に蘆花の本名「KENJIRO TOKUTOMI」と刻印されているものですし、百科事典の圧倒的な量やロシア語などの文献が含まれているあたりに戦中期の国際性を感じさせてくれます。細川家のような金持ちは、全体主義の時代にも世界の情報をしっかりとつかみ、自分なりに考えていたことでしょう。

アクセスはよくないですが、近くには野間記念館や鳩山会館もあるので、一日かけてゆっくりと散歩するのもいいかもしれませんね。

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