【柏-大分】複雑な課題

明らかにレベルが違うフランサの出来で奪われた2点。あのまま2-0で終われば、トリニータにとっては「課題が明らかになった」というお土産ができるはずだった。しかし、その後にキム・ボギョンの個人技から生まれたゴールが、すべてを狂わせてしまった。

大分トリニータは、人の動きの連動は決して悪くなかった。要注意人物のフランサを再三フリーにしてしまったマークの修正とパスの強さの感覚、そしてキム・ボギョンが個人プレーに走ってしまうこと。それが課題だった。しかし、キム・ボギョンのゴールによって「キムはあれでよい」「何かやってくれる」という期待感が、チームにもサポーターにも芽生えてしまわないか。それはこれからの長い戦いにおいて、非常に危険なことだ。

<GK>下川:6(失点はやむなし)
<DF>小手川:5.5(本職でないだけに)、チャン:5.5(とにかく不器用)、菊地:6(ラインを統率)、小林:6(攻守に悪くないプレー)
<MF>姜:5.5(宮沢の負担軽減)、宮沢:6(攻めで持ち味)、東:6(まだベストではない)、キム:6(プレースキックは問題外)
<FW>森島:5.5(怖さ感じない)、チェ:5.5(周囲見えていない)
<SUB>前田:5.5(役割が中途半端)、住田:評価なし、柴小屋:評価なし
※清水、刀根、井上、梅田は出場せず
<監督>皇甫官:5.5(起用に疑問も)

もうひとつ指摘しておきたいのは、皇甫官監督の選手起用だ。先週のPSMではキムと東が欠場したため、小手川と井上を2列目で起用した。しかし、開幕で小手川を右SBに置くならPSMでも使うべきではなかったか。ジーコのように「よい選手から11人を選んで、役割を割り振る」よりも、オシムの「そのポジションの適任者を起用する」方針を取って欲しいと思う。