【京都】岩倉実相院の風雅

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二条城を訪れた後は、地下鉄烏丸線で国際会館まで行って京都バスに乗り換え、岩倉実相院へ向かいます。このお寺は天皇家の血を人物が住職を務めていた「門跡寺院」で、客として高貴な方が来訪された際の部屋などもあります。小さなお寺ですが、山裾に抱かれ、趣味の良い庭園が配された造りはとても魅力的なのです。

ちょうど3月22日までは「京の冬の旅」というキャンペーンが開催されており、狩野派による中国風の障壁画が描かれた貴人用の寝室だった「上段の間」が特別公開されています。受付を訪れると「お寒い中、お越しくださいまして、ありがとうございます」と迎えてくれ、何人か集まるとガイドの方が説明をしてくれました。

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まずは後水尾天皇が幕府と確執があった時期にしたためたとされる「忍」という一字の書。抑圧を受けていた時期のものという説明を聞くと、ハネの鋭さに書に込められた無念を感じます。そして、10年前に発見された「実相院日記」には、幕末から明治期にかけての廃仏毀釈やペリー来訪、「ええじゃないか」の流行などが絵と文字で記録されていて興味深いです。

ご本尊は不動明王で、小ぶりなお姿ながら力と勢いを感じさせる表情と姿勢で、おもわず足を止めてしまいます。鎌倉時代の作とのことでしたが、古さを感じさせないくらいよく保存されていました。この他にも回遊式と砂庭式のふたつの庭園や、「公家の厠」というかつての便所跡なども見ることができます。上段の間の前方にある廊下は、新緑の季節は庭園の緑が、紅葉の季節には赤が映る「床みどり」「床もみじ」が楽しめるそうです。訪れる人も多くないので、ゆったりと風雅な時間にひたることができました。