【映画】ワーキング・ガール

「好きな映画は何ですか?」という質問に対する僕の答えは、「パリ、テキサス」「エリザベスタウン」そしてこの「ワーキング・ガール」です。製作が1988年なので、もう20年近く前ですね。シガニー・ウィーバーはまだしも、メラニー・グリフィスジョーン・キューザックのボリュームたっぷりの髪型を見るといかにも当時らしい、そして今となっては時代遅れな印象です。先日エールフランスの機内で見た「バブルでGO!」で、この時代のファッションを思い出したばかりだったので、懐かしさも感じました。

ストーリーはメラニー演じるテスが、上司の入院中にM&Aの案件をまとめようと画策し、最後はハッピーエンドという王道の出世物語。WOWOWで放送してくれたものを録画しておいて久しぶりに見ましたが、途中までは「あれ、こんなものだったっけ?」と若干拍子抜け。でも、最後に買収する企業の社長がシガニーの嘘をあばく場面や、その社長に採用されたメラニーが出社して秘書とからむシーンは、何度見ても爽快感があります。

ただ、出世街道を邁進するヤリ手ビジネスマンが「M&A部門」の社員なのは、いかにもバブルな印象だし、いかにもアメリカ的な「短気収益重視」の傾向を見て取れます。僕が以前に勤務していた会社でもM&A案件は特別扱いで、BD(Business Development)部門の社員は待遇もオフィス環境も違いました。ヒマな時期も多いけど、ひとたび案件が舞い込めば殺人的な忙しさになる彼ら。そして、事業部長や財務部門のトップといったエリートコースに乗っていくのも彼らでした。

まあ、メラニーのように「発想だけ」でM&Aを成約させることは現実的にはほぼ不可能ですが、ビジネスのタネは新聞記事のつながりや情報量から来るのは間違いなさそうです。仕事に疲れたときにエネルギーが湧き上がってくる、そんな作品です。